追悼・植木等「わかっちゃいるけどやめられない」

 残業とか送別会とかいろいろしていたら前の更新から5日も6日も経ってしまった。油断もすきもない。サッカーのフル代表のことを書こうと思っているうちにU-22の試合が終わってしまった。時の流れに身を任せ、あなたの腕に抱かれている場合じゃないんだよ、年度末だし。
 内示の段階では水面下で情報収集して色々と憶測するのが案外楽しい人事異動だが、ついに公表され日の目を見てしまった。当ブログでも何度か話題にしたことがあるが、前の職場で対面に座っていたプロゴルファー猿みたいな顔をした変人が、俺のオフィスビルの2階に異動になる。関わる人はご愁傷様でございます。酒の席の話だが、大ボスが言うには、将来的に俺は凄いポストにつく可能性を秘めているらしい。4月からはお客様も増えて確実に忙しくなるが「今日は来ないでくらさい、今日は来ないでくらさい」とお祈りしがら出勤しよう。
 通称"福島のマハダビキア"から、デスメタルバンドを組もうとお誘いを受けた。バンド名は「タミフル」で、ロゴデザインもほぼ固まりつつあるようだ。かと思えば森鴎外を読むように人に強く勧めたりして、守備範囲はどこまで広いんだい、とか思った。
 帰宅したら弟が真っ赤っ赤な顔をしていた。例の如く酒でも飲んだのかと思っていたら、インフルエンザに感染して38度の発熱とのこと。タミフルは処方されたらしい。
 快勝したサッカーU-22代表のシリア戦、タン、タン、タン、タンとパス回しが早くてボールも人もよく動くサッカーは気持ちが良い。先日、フル代表に久々に招集された中村俊輔だが、遠回しな言葉、例えば「中村がピッチを去ったあと、若い3人が出て私の理想とするスピーディなサッカーが出来ていた」といった表現でオシムに批判されていた。ボールを手放そうとしない中村俊輔のプレイスタイルはオシムの理想とするサッカーの対極にある。ただ、あまりある欠点をセットプレーだけで補ってしまうから困ったもんだ。南アフリカ大会ではピッチにいないと思え。
 あい子さん(母)がケータイを機種変したことをきっかけにメアドを交換しておいた。てっきり、弁当を食っている時とかに「鉄男、今日のおかずの味付けはしょっぱくないかい?」とかメールがきたりするのかと思ったが、結局まだ一度もメールは来ない。
 通称"二本松のズラタン・イブラヒモビッチ"は「華麗なる一族ごっこに興じている。自分のことを阪神銀行頭取の万俵大介役に据えて、やれ「小が大を喰う合併」だとか、やれ「閨閥作りのためには」だとか威厳を示しながら一日数通メールを送りつけてくるが、とどのつまりは合コンがしたいだけである。東西南北、老若男女、心拍上昇、ハーフ、クウォーター、帰国子女。憧れと諦めの島国根性。揺れる世界情勢、一夜にして札束は紙切れ、したたかに上を狙う、まずは駅前留学。アバウトな学歴詐称、粉飾する親の職業、下心の隠蔽工作合同コンパ。食のウンチク、ワインの知識、デイトレードのこぼれ話、たとえに出すマティスの絵画、at大衆酒場。いっこうになびかない本命、だだスベリのマニアックものまね、ひと回り上の最年長、敗戦濃厚。折れないハートと創造性、意図を感じるチームプレー、次に繋げる傷の舐め合い、大反省会。
 日本酒は自粛しているが、会社の送別会で我慢ならずに飲んでしまった。「緑川」という銘柄の新潟のお酒だが、びっくりするほど芳醇で、甘みがあって美味しいんだ。おかげで翌日は、胃袋がムカムカして切ないわ切ないわ。翌日辛くなることはわかってる。わかっちゃいるけどやめられない。
 …明日を呪う人間不信者は、明日を夢見る人間信者に。もう昨日を探してた僕はいない、いない