官能美

　フランクフルトと言えばコンビニのレジ脇で売られている卑猥な姿をした食べ物の名前としか思っていなかったが、なるほどドイツの都市だったのか。高原直泰がフランクフルトへ移籍しなければ、永遠に知らないままだった。
　所用があり、通称"八山田のディディエ・ドログバ"の会社へ寄ったところ、まんまと彼の車が駐車場にあったので、まだまじめに働いているんだなと思い、安心して帰った。（と言うのも、彼の異常性癖をもってすれば、いつハランスメント系の不祥事をやらかしてクビになっても不思議はないのだ）　彼は、股間に鈴をつけたまま42年間サンタクロースを待っている。去年も鈴は鳴らなかった。今年は鳴るのか？
　どこかの県ではブランド米に"はえぬき"と命名して大不評を買ったが、矢吹町では粕漬けに"いいなづけ"と名づけた。粕漬けにこのネーミングがフィットするかという点については疑問が残るが、"いいなづけ"という言葉そのものには好感がもてる。米も好きだが、この頃では和洋中問わず麺がとても好きになった。麺類が食卓に並べられたとき、俺はほとんど獣と化す。「これからいよいよ俺の胃袋へ放り込むのだぞ」と言わんばかりにぺろぺろと唇をなめまわし、半殺しのネズミを前にしたときの猫のように、いかにも楽しそうに物凄い目つきでジロジロと麺を眺め、箸（またはフォーク）を用いてひも状の炭水化物をついばむのだ。
　見てくれ!!　この官能的なフォルムを!!　この世で最も美しいものを二つ挙げろと言われたら、ひとつは女性の裸体を、もうひとつはギターのフォルムを挙げるだろう。画像は食玩のギブソンＳＧ。AC/DCのアンガス・ヤングやブラックサバスのトニー・アイオミが使用していることでも知られ、映画「スクール・オブ・ロック」ではジャック・ブラックがこれをかき鳴らしている。レスポールもかっこいいが、ＳＧも見れば見るほどかっこいいなあとうっとりする。
　…今日も一日、杓子定規で、単純な大声を張り上げてた。今日も一日、杓子定規で、簡単な反抗を繰り返した