カム・バック

 やっとペンを握ることができた。何年も眠ってたみたいだ。夏を照らすオレンジの太陽が、俺の体を火照らせた。
 痔ろうの調子というか、窓際に設置してあったモデムが雨に濡れてぶっ壊れたというのがことの真相である。出かける際は戸締りと火の用心がどれほど大切か、それをそんな意外なところから学ぶとは思わなかった。今日から「光」で復活しました。
 沈黙していた約20日間、記したいことは山ほどあって、3年ぐらいネタがたまった気がするが多分3日でネタは尽きると思う。創作活動に「充電」なんてあり得ないとこの頃気付いた。
 一学期も無事に終わり、ランドセル姿の小学生は姿を消した。夏休みの象徴といえばかぶと虫。俺が小学生に言いたいのは、交尾中のかぶと虫を捕獲してはなりませんってこと。だって自分だってイヤでしょう、メスとかと重なってるときにいきなりでっかい人が来て剥がされちゃったりしたら。
 浦和レッズバイエルンミュンヘンに勝ったあの日から、ジーコ・ジャパンよりも浦和レッズのほうが強いんじゃないかと思っている。バイエルンミュンヘンと言えば、オリバー・カーンをはじめ、アリ・カリミ、ラーム、バラックシュバインシュタイガーサンタクルス等そうそうたる面子を揃えている。あの日も三都主はいきいきしていた。
 オシム・ジャパンの初戦、前半は完全にゲームをコントロールできており、観ていて全くストレスを感じることがなかった。今思えば緩慢なジーコ・ジャパンのサッカーは、(オシム・ジャパンとくらべると)年寄りばかりが寄り集まったシニアスポーツのようである。トリニダードトバゴの監督もこの日の日本代表を「レベルの高いチーム」と褒めちぎっていた。三都主の活躍について、試合後のオシム氏が「三都主ばかりがヒーロー(英雄)ではない。英雄とは、すでに墓の中にいる偉大な人物のことを指す」と語っていたのが印象的だった。俺から苦言を言わせてもらえば、オシム氏の手腕は評価できるものの頻尿に関しては健康上の不安を感じてしまう。その頻尿を追うカメラクルーのマヌケさは、視聴者側が赤面してしまうほどである。フィールドを撮れと言いたい。我那覇はまばたきのやり方を知らないのか? 三都主のFKのときの闘莉王の怪しい動きに関して「いやあ、闘莉王が『ここに蹴ってくれ』って教えたみたいでしたねー」と解説する松木安太郎さんは、脳に障害を抱えていると思う。
 ブラジル代表の愛称は"セレソン"。フランス代表は"レ・ブルー"。イタリア代表は"アズーリ"。イングランド代表は"スリー・ライオンズ"。女子日本代表のほうはすでに"なでしこジャパン"という愛称が馴染んできた感があるが、果たして男子日本代表の"サムライ・ブルー"という愛称は浸透するのだろうか。
 職場の中ボスは「ラーメン食べると汗が"ジャーッ"って出るんだよ」と言いながら、毎日昼休みにラーメンを食べに外に出る。今日は仕切りの隙間から隣の部署を覗き見て「いきなり頭がツルンツルンの人が目に入るからさ、『おぉっ!』なんて驚いちゃうんだよ」とか「今日は隣は静かだね、うるさいのが休みだから」とか「今日は白髪デブも休みなんだよ」と、人の部署ばかり気にしていた。
 夏は可能性を広げる季節。無性に海や山へ出かけたくなる季節。高校生が初セクースする季節。俺も何かを見つけに出かけてみたい。「都をば、霞とともにたちしかど、秋風ぞ吹く、白河の関
 …あの花の色がそっとピンクに染まる頃、星屑のかごを持ってあの娘に会いにゆこう。胸騒ぎはいつも素敵な予感の仕業さ