ミサイルほどのペンを片手に、面白いことをたくさんしたい

 異動して何よりツラいのは、それまでよりも30分早まった起床時間。だが車に乗ってしまえばある程度は肚をくくれる。メタリカとスレイヤーの1stアルバムを聞き比べてみた。スレイヤーはデビュー当時から確かな演奏力を誇っているものの、リズムギターの力強さではメタリカに軍配が上がる。会社へ着くのもたいがい俺が1番最初。ポールトゥウィンで開錠するのも俺。無人の部屋に「おはようっす」と挨拶し、書類の山に意気消沈。モチベーションは上がらない。敵は書類で、武器は電卓と赤鉛筆。戦は続き、会社を後にするのは完全に陽が落ちてから。
 NHK大河ドラマは、秀吉の配役がいつも絶妙だ。今回の「功名が辻」では、日本人で1番演技が上手いと言われている柄本明。ロンブーの淳も出演しているが、「これダチョウ倶楽部か?」と父が聞いたら「そうだ」と母が答えると言うやりとりが原家ではあった。そこには俺は一切赤ペンを入れなかった。
 …生まれ持った能力、それがたとえ寿命をつないでも、称えられても救えない思いがあるのだから、もう恐れない