”みのもんた”は「健康」の代名詞

　俺は便所の快適性にとことんこだわる。リニューアルした自宅の便所は、用を足すのと同時進行で居眠りできてしまうほどの快適空間だ。今日ぐらい涼しいと、冷え込み防止機能のついた便座じゃないと厳しいな。
　SLAYERのライヴDVDを本気で観た。アニメ番組の冒頭に「お母さんへ。小さいお子さんが番組をごらんになるときは部屋を明るくしてなるべく画面から離れて観てください」みたいなテロップが挿入されるのは、光の刺激やショッキングな色使いでてんかん発作を起こす可能性があるからだったっけ。俺、かぶりつきで観るしテンションあがって狂おしくヘッドバンギングしたりするから、傍から見ればてんかん発作なんてレベルを軽く超えてるかも知れない。「決して覗かないでください」と、自分の羽で機を織るマゾヒスティックで義理堅い鶴のような気分だ。
　風邪気味の親方は、昨晩はニンニクを５つも食べてすぐ眠った。今朝シャンプーしたらやたらと毛が抜けてびっくりしたそうだ。「朝シャンすると抜け毛が多くなるってことありますか？」だってさ。仕事以外の知識はゼロに等しいから、あの人。
　映画「蝉しぐれ」の試写会のチケットが手に入ったが行けそうにない。通称"八山田のディディエ・ドログバ"に譲ろうかと思ったら、その日は飲み会があるから行けないんだってさ。「ちょ、ちょっとー、やめてよノリスケくーん」と、ノリスケさんと飲みに行ったときのマス夫さんばりに同僚に絡まれる姿が目に浮かぶ。疲れて帰宅しても、サザエさんのようなオテンバな鬼嫁がいないだけ良しとするしかない。ウンガッ!!　ウンウッ!!
　菜食主義者の俺は、枝豆をパクつきながら野菜ジュースを飲む。ミスチルの新譜に収録されている「跳べ」という曲には"日本中みんなみのもんた。生き抜く秘訣を手にしたい"という詞が出てくる。大抵の人は健康が好きなんだなあ。例に漏れず俺も健康が大好きで、健康のためなら死んでもいいと思っている。
　…大変だ、ちょっと待った、今気付いた。俺のベッドで寝てるあんたっていったい誰なんだっけ？　だって変だろ？　家があるんだろ？　家！　家！　家！　家！　家！