未來は僕等の手の中

ムーン

 年々感受性は劣化し、フルムーンを見ても「あ、空に月が出ている」としか思わない俺だが、それを「月が空にはりついてら」と表現したブルーハーツはすごい、と帰宅途上のラジオで言っていた。そのガリレオ・ガリレイの地動説に近い発想には、紛れもなく桁違いのセンスを感じる。
 俺がぞくっとしたのは、「クリムゾン通りを南に抜けた先で、くさる寸前のブライトン・ピーチかじる。黒く潰れた種吐き出して、ここから咲く花の色を考える」というミッシェルガンエレファントのラプソディーという曲の詞である。それからブランキーの詞は、映画のワンシーンを切り取ったみたいでどれもすごい。
 この頃は車で音楽を聴くことがほとんどで、うっかり聞き流してしまうことが多いが、曲も詞もちゃんと聴こうと思った。
 …尖らせ、尖らせ、怒りをむきだしを。頬張らせる、頬張らせる、リアルを、フリーダムを